マメ科の連作障害|根粒菌のしくみと玉ねぎ後がNGな理由

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マメ科は「地力を回復させてくれる野菜」として輪作に組み込まれる一方で、自身は連作に非常に弱いという二面性を持っています。

とくにエンドウは、家庭菜園で扱う野菜の中でも屈指の連作嫌いです。この記事では、マメ科の何が特殊なのか、なぜ玉ねぎの後に植えてはいけないと言われるのかを整理します。

マメ科の野菜と輪作年限

野菜 あける年数の目安
エンドウ 4〜5年
ソラマメ 4〜5年
エダマメ 3〜4年
インゲン 2〜3年
落花生 2〜3年

エンドウとソラマメが特に長いのが特徴です。エンドウは資料によっては5〜7年を求められることもあり、家庭菜園では「一度作ったら当分その場所には戻さない」くらいの意識が必要です。

一方でインゲンや落花生は2〜3年と比較的短く、同じマメ科でも差があります。

根粒菌のしくみ

マメ科を理解するうえで欠かせないのが根粒菌です。

マメ科植物の根には、根粒菌という細菌が共生してコブ状の「根粒」を作ります。根粒菌は植物から糖分をもらう見返りに、空気中の窒素を植物が使える形(アンモニア)に変換して供給します。これが窒素固定です。

この働きのおかげで、マメ科は窒素肥料が少ない土でもよく育ちます。そして収穫後に根や残渣を土に残すと、次の作物のための窒素が土に供給されます。マメ科が「地力を回復させる」と言われるのはこのためです。

肥料をやりすぎない

根粒菌の性質から、実践上の重要な注意点が導かれます。土に窒素が豊富にあると、植物は根粒菌との共生をサボります。

窒素肥料を効かせすぎると根粒があまり形成されず、さらに「つるボケ」(茎葉ばかり茂って莢が付かない)を招きます。マメ科の栽培では窒素肥料は控えめにが鉄則です。

玉ねぎ・ネギの後にマメ科がNGとされる理由

家庭菜園の後作相性でよく挙げられるのが、「玉ねぎの後にマメ科を植えると生育が悪い」という組み合わせです。科が違うのに避けるべきとされる、代表的な例外です。

理由として一般に説明されるのは、ネギ類の根に共生する微生物が根粒菌の活動を妨げるというものです。ネギ類の根圏には抗菌性を持つ細菌が住み着いており、これがナス科やウリ科の土壌病原菌を抑えてくれる——それがネギ類が優秀な後作とされる根拠です。ところが同じ働きが、マメ科にとって必要な根粒菌にも及んでしまう、という理屈です。

根粒菌がうまく着かなければ、マメ科は窒素固定の恩恵を受けられず、生育不良になります。

ネギ類が優れた後作である理由と、マメ科の前作として不適である理由は、同じ性質の裏表ということになります。

なお、この組み合わせの評価は資料によって温度差があります。当サイトでは資料が割れる場合、保守的な(避ける)方を採用しています。

エンドウが特に連作を嫌う理由

エンドウの連作では、立枯病(フザリウム菌などによる)や根腐れが問題になります。生育途中で株元から枯れ上がり、収穫までたどり着けません。

エンドウは秋にまいて冬を越し、春に収穫する長期栽培になることが多く、その分だけ土壌病害にさらされる期間が長いことも影響していると考えられます。

一度発生すると土に菌が残るため、エンドウを作る場所は毎年きちんとずらすのが基本です。連作を避けきれない場合はプランターや袋栽培に切り替える、という選択肢もあります。

マメ科の後に何を植えるか

マメ科の後は窒素が補われた良い状態になっているので、窒素を多く必要とする野菜が向いています。

逆に、マメ科の後にマメ科は当然避けます。エダマメの後にインゲン、といった組み合わせも連作にあたります。

また、サツマイモのように窒素が多いと不都合な野菜(つるボケする)は、マメ科の直後には向きません。

「マメ科は地力を回復する」を過信しない

マメ科が窒素を供給するのは事実ですが、注意点が2つあります。

1. 供給されるのは窒素だけ — リン酸やカリウム、微量要素は補われません。マメ科を挟んだからといって施肥が不要になるわけではありません。

2. 残渣を残さないと効果が薄い — 窒素の多くは根粒と根に蓄えられています。株ごと引き抜いて処分してしまうと、地力回復の効果はかなり削がれます。地際で刈って根を土に残すのが定石です。

ただし病気が出た株は例外で、必ず抜いて畑の外に持ち出してください。

野菜別の後作相性

まとめ

前作との相性は連作障害チェックツールで確認できます。輪作全体の組み方は輪作の組み方|家庭菜園を4区画に分ける実践プランをご覧ください。

前に育てた野菜を選ぶだけで、次に植えてよい野菜がすぐ分かります。

連作障害チェックツールを使う