輪作をきちんと組めれば理想的ですが、家庭菜園では区画が足りず「ここはどうしても回せない」という場所が出てきます。
そんなときに効くのが、そもそも連作の影響を受けにくい野菜を選ぶという考え方です。この記事では、家庭菜園でよく育てる野菜を連作耐性の順に並べました。
連作に強い野菜(毎年でもほぼ問題ない)
同じ場所に続けて植えても障害が出にくいグループです。輪作を組めない区画には、まずここから選びます。
| 野菜 | 科 | あける年数の目安 |
|---|---|---|
| サツマイモ | ヒルガオ科 | 0〜1年 |
| シソ | シソ科 | 0〜1年 |
| トウモロコシ | イネ科 | 1年 |
| 玉ねぎ | ヒガンバナ科 | 1年 |
| ニンニク | ヒガンバナ科 | 1年 |
| バジル | シソ科 | 1年 |
サツマイモは連作に強い代表格です。やせた土でもよく育ち、むしろ肥料が多いとつるボケする(つるばかり茂って芋が太らない)ほどなので、他の野菜を作った後の「地力が落ちた区画」の受け皿にもなります。
トウモロコシも連作向きで、しかも根が深く張って土を耕す効果があります。前作の残った肥料分を吸ってくれるクリーニングクロップとしても使えます。
ネギ類(玉ねぎ・ニンニク・ネギ・ニラ)は連作に強いだけでなく、後作にも良い影響を与える点で特別です。ネギ類の根の周りにいる細菌が、ナス科やウリ科を侵す土壌病原菌を抑える働きを持つことが知られています。
連作にやや強い野菜(1〜2年あければよい)
| 野菜 | 科 | あける年数の目安 |
|---|---|---|
| カボチャ | ウリ科 | 1〜2年 |
| ズッキーニ | ウリ科 | 1〜2年 |
| 小松菜 | アブラナ科 | 1〜2年 |
| 水菜 | アブラナ科 | 1〜2年 |
| チンゲンサイ | アブラナ科 | 1〜2年 |
| ルッコラ | アブラナ科 | 1〜2年 |
| 春菊 | キク科 | 1〜2年 |
| ほうれん草 | ヒユ科 | 1〜2年 |
| ネギ | ヒガンバナ科 | 1〜2年 |
| ニラ | ヒガンバナ科 | 1〜2年 |
カボチャはウリ科の中では例外的に連作に強く、キュウリやスイカと比べるとかなり気楽に扱えます。
葉物のアブラナ科(小松菜・水菜・チンゲンサイ・ルッコラ)は栽培期間が短く、1〜2年あければ十分とされます。ただしアブラナ科である以上、根こぶ病のリスクからは逃れられません。根こぶ病が出た区画では、葉物であっても数年は避けるべきです。
中程度(2〜3年あける)
| 野菜 | 科 | あける年数の目安 |
|---|---|---|
| ジャガイモ | ナス科 | 2〜3年 |
| キュウリ | ウリ科 | 2〜3年 |
| ゴーヤ | ウリ科 | 2〜3年 |
| キャベツ | アブラナ科 | 2〜3年 |
| ブロッコリー | アブラナ科 | 2〜3年 |
| カリフラワー | アブラナ科 | 2〜3年 |
| 白菜 | アブラナ科 | 2〜3年 |
| 大根 | アブラナ科 | 2〜3年 |
| カブ | アブラナ科 | 2年 |
| レタス | キク科 | 2年 |
| インゲン | マメ科 | 2〜3年 |
| 落花生 | マメ科 | 2〜3年 |
| ニンジン | セリ科 | 2〜3年 |
| オクラ | アオイ科 | 2〜3年 |
| イチゴ | バラ科 | 2〜3年 |
ジャガイモは同じナス科のトマト・ナスより短くて済みます。ジャガイモが問題になるのは主にそうか病で、トマト・ナスの青枯病ほど長く土に残らないためです。ただしジャガイモの後にトマトを植えるのは、ナス科の連作にあたるので避けてください。
連作に弱い野菜(3年以上あける)
輪作計画の中で最も慎重に扱うべきグループです。
| 野菜 | 科 | あける年数の目安 |
|---|---|---|
| トマト・ミニトマト | ナス科 | 4〜5年 |
| ナス | ナス科 | 4〜5年 |
| ピーマン | ナス科 | 4〜5年 |
| スイカ | ウリ科 | 4〜5年 |
| エンドウ | マメ科 | 4〜5年 |
| ソラマメ | マメ科 | 4〜5年 |
| ゴボウ | キク科 | 4〜5年 |
| ショウガ | ショウガ科 | 4〜5年 |
| シシトウ | ナス科 | 3〜4年 |
| メロン | ウリ科 | 3〜4年 |
| エダマメ | マメ科 | 3〜4年 |
| サトイモ | サトイモ科 | 3〜4年 |
エンドウは連作を最も嫌う野菜のひとつです。資料によっては5〜7年を求められることもあり、家庭菜園では「一度作ったら当分その場所には戻さない」くらいの意識が必要です。
トマト・ナス・ピーマンは連作障害の代名詞的な存在で、青枯病や半身萎凋病が一度出ると土に長く残ります。接ぎ木苗を使うと抵抗力は上がりますが、それでも輪作は続けるべきです。
スイカもつる割病で悪名高く、市販苗の多くが接ぎ木苗なのはこのためです。
連作年限の数字をどう受け取るか
ここまで挙げた年数は、あくまで目安です。実際に必要な年数は、その畑で病害が出たかどうかで大きく変わります。
- 一度も病害が出ていない畑 → 表の年数を守れば概ね問題ない
- 青枯病・根こぶ病・つる割病が出た畑 → 表の年数では足りない。病害ごとに数年上乗せするか、太陽熱消毒でリセットする
また、資料によって推奨年数はかなりばらつきます。当サイトでは値が割れる場合、保守的な(長い)方を採用しています。
「強い野菜」でも科は意識する
連作に強いからといって、科を無視してよいわけではありません。
たとえばカボチャは1〜2年で回せますが、キュウリ・スイカ・メロンと同じウリ科です。カボチャの後にスイカを植えれば、それはウリ科の連作にあたり、スイカ側の輪作年限(4〜5年)で判断する必要があります。
あける年数は「これから植える野菜」の側で判断する——これが混乱しないためのコツです。
相性は年数だけでは決まらない
輪作年限を守っていても、直前の作物との組み合わせで生育が悪くなることがあります。
- 玉ねぎの後のマメ科は生育不良になりやすい
- トマトの後のキュウリは相性が悪いとされる
- 逆に、ナス科の後のネギ類・マメ科は良い組み合わせ
こうした科をまたぐ相性の例外は数が多く、表を覚えて運用するのは現実的ではありません。当サイトの連作障害チェックツールは、44種の野菜について輪作年限と相性の例外を両方まとめて判定します。前に育てた野菜を選ぶだけなので、区画を決めるときに使ってみてください。
まとめ
- 回せない区画にはサツマイモ・トウモロコシ・ネギ類などの連作に強い野菜を割り当てる
- 同じ科でも野菜によって年数は違う(ナス科でもジャガイモは2〜3年、トマトは4〜5年)
- あける年数はこれから植える野菜の側で判断する
- 病害が出た畑では表の年数では足りない
- 年数だけでなく直前の作物との相性も見る