緑肥で線虫を減らす|マリーゴールド・エンバクの使い方

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連作障害の原因のひとつが線虫(センチュウ)です。土の中の目に見えない小さな生き物が根に寄生し、水と養分の吸収を妨げます。

線虫は薬剤(土壌くん蒸剤)での防除が一般的ですが、家庭菜園では扱いにくい薬剤です。そこで選択肢になるのが緑肥——線虫を抑える働きのある植物を育てて土にすき込む方法です。

線虫の被害

家庭菜園で問題になるのは主に2種類です。

ネコブセンチュウ — 根に寄生して数珠状の小さなコブを作ります。トマト、ナス、キュウリ、ニンジン、サツマイモなど幅広い野菜に付きます。

ネグサレセンチュウ — 根の内部に侵入し、根を褐色〜黒色に腐らせます。ゴボウ、ニンジン、ダイコン、ジャガイモなどで問題になります。

いずれも地上部の症状は「なんとなく生育が悪い」「日中しおれやすい」「葉色が薄い」といった曖昧なもので、原因に気づきにくいのが厄介です。

収穫後に根を確認してください。数珠状の小さなコブがあればネコブセンチュウ。アブラナ科で見られる根こぶ病の大きくいびつなコブとは形が違います。根が褐色に腐っていればネグサレセンチュウです。

マリーゴールド

線虫対策の緑肥として最もよく知られています。

なぜ効くのか

マリーゴールドの根から分泌されるα-ターチエニールという成分が、線虫に対して毒性を持ちます。またマリーゴールド自体が線虫の宿主として不適切なため、線虫が寄生しても増殖できず、密度が下がっていきます。

品種を間違えない

ここが最も重要です。 花壇用の観賞用品種では効果が期待できません。緑肥用として販売されている品種を選んでください。

大きく2系統あります。

どの線虫が問題になっているかで選ぶ品種が変わります。判別が難しい場合は、種苗店で「緑肥用マリーゴールド」として売られているものを選び、袋に記載された対象線虫を確認してください。

育て方とすき込み

  1. 春〜初夏にタネをまく(直まきでよい)
  2. 2〜3か月しっかり育てる。効果は根から出る成分によるので、根が広く張るまで育てる必要があります
  3. 花が咲いている時期に、花・茎・根ごと細かく刻んで土にすき込む
  4. すき込み後2〜3週間おいてから次の作付け

短期間で終わらせないことが肝心です。1か月程度で刈ってしまうと根の張りが不十分で、効果は限定的になります。

限界

エンバク(野生種)

エンバク野生種(ヘイオーツなどの品種名で流通)も線虫対策の緑肥として広く使われます。

イネ科なので、多くの野菜(ナス科・ウリ科・アブラナ科・マメ科)と科が重ならないのが利点です。輪作の「休ませる年」に組み込みやすいという実用上のメリットがあります。

注意点: 普通のエンバク(飼料用)と野生種では線虫抑制効果が異なります。線虫対策が目的なら、必ず「野生種」または対象線虫が明記された品種を選んでください。

エンバクは根が深く張るため、土を物理的にほぐす効果も期待できます。すき込めば有機物として土に還り、土壌の団粒構造の改善にもつながります。

その他の緑肥

緑肥を使うときの共通の注意

1. 品種を確認する — 同じ植物名でも品種によって効果がまったく違います。「緑肥用」「対象線虫」の表示を必ず確認してください。

2. すき込みのタイミングを守る — 早すぎると効果不足、遅すぎると茎が硬くなって分解に時間がかかります。

3. すき込み後は分解期間をおく — 未分解の有機物が多い土に植え付けると、分解の過程で窒素が奪われたり(窒素飢餓)、根が傷んだりします。2〜3週間はあけてください。

4. 輪作の代わりにはならない — 緑肥は土壌病害には効きません。線虫以外の連作障害には輪作太陽熱消毒で対処します。

太陽熱消毒との使い分け

緑肥 太陽熱消毒
主な対象 線虫 線虫+土壌病原菌+雑草種子
時期 春〜夏(2〜3か月) 梅雨明け〜8月(3〜4週間)
土への影響 有機物が増え土が改善する 有用微生物も減る
手間 タネまき・すき込み 潅水・マルチ張り

土壌病害も同時に叩きたいなら太陽熱消毒線虫が主な問題で土も改善したいなら緑肥、という使い分けになります。両方を組み合わせる(緑肥をすき込んでから太陽熱消毒)という方法もあります。

まとめ

輪作計画と合わせて、連作障害チェックツールで前作との相性を確認してみてください。

出典・参考:タキイ種苗「農作物におけるセンチュウ被害と緑肥による抑制効果」

前に育てた野菜を選ぶだけで、次に植えてよい野菜がすぐ分かります。

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